こんにちは、えびかずきです。
今回は統計検定2級の受験記録です。
2020年4月にCBT方式で受けて合格できました!
こんなに人におすすめ:
・統計検定2級を受験するので情報収集をしたい
需要があるか分かりませんが、備忘録的な記録として記事にまとめておこうと思います。
結論として、ある程度統計の素養がある人なら一週間くらい勉強すれば合格できると思います。
私の場合、勉強期間は5日でした。
筆者のバックグラウンド
私のバックグラウンドはこんな感じ。
- 地方国立大の理系大学院卒
- 仕事は化学メーカー技術職
- 学校で統計を学んだ経験は無し
- 独学で入門書を読んだ経験は有り
学校で統計を勉強したことはないけど、仕事でちょくちょく使うのでなんとなくは統計の基礎を把握しているというレベルでした。
統計検定を受ける人にありがちなバックグラウンドではないかと思います。
そもそもなぜ受験しようと思ったか言うと、
データサイエンスを極めるには統計を知っておいた方が良さそうだなと感じたことがきっかけです。
特に資格が必要なわけではありませんが、試験があると勉強しやすいので受けてみることにしました。
統計2級の試験形式
試験の形式は以下のとおり。
- 試験時間:90min
- 回答方法:選択(マークシート)
- 問題数:35問程度
私が感じたのは、試験時間に対して割と問題数が多いと言うことです。
試験中には時間管理がかなり重要なってきます。
PBTとCBTの違い
統計2級の受験方式は、PBT(Paper Based Test)とCBT(Computer Based Test)の2種類があります。
そしてCBTとPBTどちらで受験しても統計2級という資格には変わりなく、優劣があるわけではありません。
受験者にとっての大きな違いは、合格基準点です。
PBTは70点が合格基準なのに対して、CBTの合格基準は60点です。
しかしながら問題の難易度は私の感覚では同等だと感じました。
だからといってCBTの方が合格しやすいかというと、
ややこしいですがそういう訳ではないとも感じました。
その理由は2つあります。
まず第1にPBTは過去問が公に問題集として公開されているので、試験対策がしやすいという点があげられます。
実はCBTとPBTでは出題の形式が微妙に違っていて、いざテストセンターにいって問題を解き始めると、PBTとなんか違う感じがするなという違和感を感じることになります。
第2の理由は、PBTは大問形式の問題が少なめという事です。
これが出題の形式が微妙に違うと先ほどお伝えした件の正体でもあります。
つまりCBTは、一つの問題文に対して一つの回答という形式を取るものが多いので、一つ一つアタマを切り替えて問題文を読み直す必要があります。
そうすると、同じ35問でも解き切るのに時間がかかるということです。
とは言えここでちょっと言い訳をさせてもらうと、
実際のところ、これが全受験者に共通する違いかどうかははっきりしません。
なぜならCBTはプールされた問題群の中からランダムにコンピュータが出題をしていくという仕組みですので、たまたま私の時はそうだったという可能性もあるからです。
少なくとも私の場合は、大問形式の問題が少なかったように感じましたということです。
という訳で合格基準がCBTとPBTで異なる理由は、
問題のレベルが同じでも、こういった出題形式の違いからCBTの方が得点を取りにくくなっているためだろうと私は考察しています。
おそらくこの現象を統計的に考慮した結果、CBTの合格基準を10点下げたのでしょう。
統計検定だけに。
その他の理由として考えられることとしては、試験の運用上の都合という可能性もあります。
CBTの合格基準は固定されているのに対して、実はPBTの合格基準は70点程度で試験の難易度で多少調整することがあると運営からの注意書きがあります。
これまでのPBTが実は思ったより受験者の成績が悪くて、合格点を65点とか60点とかに下げ調整してきた経緯があって、その流れでPBTの合格基準は60点に固定したという可能性もあるのではということです。
あと、CBTは後で問題を読み直して回答を変更するということは可能ですので、そこについては心配要りません。
統計2級の難易度
統計2級は試験範囲もあまり広くなくて、統計の基礎という印象です。
私はこれまで化学プラント関係の資格をいろいろ取ってきましたが、資格の難易度としては危険物甲種と同じくらいかなと感じました。
私の場合の受験対策
今回私が実践した受験対策は、以下の流れです。
- 過去問を1回解いて試験の雰囲気を確認する
- 試験範囲を確認する
- 入門書を通して読む
- 試験問題を5回分解く
- 受験直前にチートシートを短期記憶する
これを試験5日前から始めました。
時間で言うと1日4時間ぐらい、計20時間ぐらいは勉強してます。
期間はかなり短いですが、自分は短期集中型なのでこういうやり方が合っています。
要するに試験前のスケジュールをしっかり空けておいて、直前にがっつり勉強するというやり方です。
とは言えこれは趣味で受験してるからできるやり方ですけどね。。。
仮にもしこれが会社のお金で受けてて落ちたらまずいような試験であれば、
3ヶ月くらい前には、過去問を1回解くのと試験範囲を確認するところまではやっておいて、どれだけ勉強すれば良さそうかという見積もりを立てておきます。
それではそれぞれの受験対策について詳しく書いていきます。
1.過去問を1回解いて試験の雰囲気を確認する
まずは試験の雰囲気を確かめるために、過去問を試しに解いてみました。
過去問は統計検定を主催している日本統計学会が、毎年以下のような問題集を出しているのでこれを使いました。
一応、統計検定の公式Webサイトにも前回分のペーパーテストの問題が掲載されています。
私が1回目に解いた結果は、63%でした。
PBT的には合格ですが、CBT的には不合格という微妙な点数でした。
試験時間も本当は90分のところを120分ぐらいかけて解いたので、当然ながらまだ実力不足です。
ただ、数日勉強すれば大丈夫そうだなという感触は掴めました。
2.試験範囲を確認する
試験範囲は統計検定の公式ページにpdfで貼られています。
これを見るとなんだか範囲が広そうで面食らいますが、よくよく中身をみてみると基本的な内容ばかりです。
基礎を早めに抑えて、仮説検定や回帰分析の練習をすることが大事だと感じました。
3.入門書を通して読む
私はこの本を2日かけて読みました。
初心者向けにわかりやすく書かれているわりに、基礎の要点を抑えていてかなりオススメできる入門書です。
レベルはまさに2級程度で、統計の基礎と仮説検定の記述が充実しています。
実は昔、私はこの本を通して読んだことがあったので、今回はもう1度読み直したということになります。
今私は準1級の受験に向けて以下の本を読んでいますが、多分最初からこういう大学の教科書的なテキストから入ると挫折すると思うのであまりお勧めしません。
とりあえず簡単そうな本から入って、必要に応じてレベルをあげていくことをお勧めします。
一応下の統計2級向けの公式テキストも読みましたが、個人的な感覚としては公式ばかりの羅列であまり理解が進む内容ではないと感じました。
このテキストはあくまで出題範囲をしっかり理解するという目的で読み進めることをおすすめします。
最後に一言付け加えておくと、統計は理論の理解に必要な数学レベルが割と高く、微積と線形代数が自由に使えないと厳しいです。
とはいえ、2級は理論の理解までは必要なくて、感覚的・実用的に仮説検定や回帰分析が使えるようになっていれば合格できます。
あまり理論に深入りしないようにすることをおすすめします。
たとえば、正規分布はどうやって導かれたのだろうとか、中心極大定理ってどうやって証明するんだろうとか、そういうところですね。
4.試験問題を5回分解く
入門書で統計学の理解がある程度進んだので、あとはひたすら問題を解きました。
上で紹介した公式問題集には過去6回分の問題が収録されているので、残りの5回分を解きました。
参考として、その時の結果が下の通りです。
過去問 | 得点率 | 備考 | |
2019/11月 | 63% | 120分かけたので参考値 | |
2019/6月 | 80% | 120分かけたので参考値 | |
2018/11月 | 62% | – | |
2018/6月 | 68% | – | |
2017/11月 | 65% | – | |
2017/6月 | 74% | – |
5.受験直前にチートシートを短期記憶する
直前はとにかく短期記憶で公式を暗記しました。
私はQiitaに公開されていた以下の記事を参考にさせていただきました。
結果
試験の結果が以下です。
CBTは当日試験終了後にすぐ結果が通知されるので便利です。
結果は68点で合格でした。
80点ぐらい取れるかなと思っていたので、想定よりは低めで少し残念な結果ではありましたが、合格は合格です。よかった。
振り返ってみると、仮説検定のところの理解が甘かったのかなと思います。
まとめ
今回は統計検定2級の対策と受験記録を記事にしました。
これから受験する方の参考になれば幸いです。
2級には合格しましたが、まだまだ統計学を本質的に理解したとは言えないなと感じているので学習は続けていこうと思っています。
最終的には1級を取りたいなと思っていますが、
次は2020年6月に準1級を受験する予定です。
地道に学習を進めて、統計もデータサイエンスも極めていこうと思います!
最後に補足情報ですが、
2021年度からは1級を除いてPBT形式を廃止していく方針のようです。
この方針は新型コロナの影響によるものが大きいのでしょう。
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