iPhoneからJetson NanoをVNC接続して屋外で操作する方法

iPhoneからJetson NanoをVNC接続して屋外で操作する方法
えびかずき
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こんにちは、えびかずきです。

今回は、iPhoneからJetson NanoをVNCで操作する方法を説明します。

こんな人におすすめ:
・JetsonNanoを外に持ち出して使いたい
・VNC接続について学びたい

結論として、iPhoneのテザリング機能でJetsonNanoを同じネットワーク環境に接続して、realVNCというアプリでVNC接続すればOKです。

それでは、順を追って見ていきましょう!

やりたいこと

今回やりたいことは、JetsonNanoをディスプレイをiPhoneで表示させて、外に持ち出して使いたいというものです。

JetsonNanoはAIシステムのエッジコンピュータとして、手軽に使えるところが魅力です。

そうなってくると当然外に持ち出しで屋外で使いたいというケースも出てきますよね。

そのための一つのやり方として、今回はVNC接続でiPhoneとJetson Nanoを接続していきます。

VNC接続の基本については以下の過去記事で説明していますので、ご興味あれば参考にしてみてください。

MacOSから他の端末にVNC接続して外部から操作する方法まとめ

開発環境

・Jetson Nano 2GB/JetsonPack4.5.1(Ubuntu18.04.5)
 ・x11vnc

・iPhone8/Ymobile(テザリングあり)
 ・realVNC

・USB型Wifi子機

JetsonNanoは無線LAN機能が搭載されていないため、Wifiを利用するには無線子機を設置してやる必要があります。

私は安価な以下の商品を購入しました。

手順

1.テザリング接続

まず下準備として、iPhoneのテザリング機能でJetson Nanoをネットワークに接続してやります。

①無線LAN子機を接続します。

最初の接続だけは、有線LANを接続したまま無線LAN子機を取り付けることをおすすめします。

こうすることで、無線LAN子機のドライバが自動でインストールされて、作業が一つ減ります。

少なくとも今回私が試したELECOMの製品の場合は、無線LANを接続しただけで自動的にデバイスを認識してくれました。

無線LAN子機の接続

②ネットワークに接続する

Ubuntuデスクトップの左上の画面のWifiマークをクリックして、Select Networkからテザリングのネットワークを選択してパスワード入れます。

Ubuntuデスクトップ画面

これでiPhoneと同じネットワークに接続することができました。

VNC接続

つづいてVNC接続です。

①Jetson Nano側にVNCサーバーを入れる

今回は「x11vnc」というVNCサーバーを入れました。

(というかもともと入れていたので使い回してます。)

インストールのやり方はターミナルから下のコマンドで実施します。

$ sudo apt-get update && sudo apt-get install x11vnc

その後以下のコマンドでパスワードを設定。

$ x11vnc -storepasswd

そしてサーバーを起動。
※usernameの部分は自分のPCのユーザー名を入れてください。

sudo x11vnc -auth guess -forever -loop -noxdamage -repeat -rfbauth /home/username/.vnc/passwd -rfbport 5900 -shared

これで、Jetson Nano側のVNC準備は完了です。

②iPhone側にVNCサーバーを入れる

iPhone側は「realVNC」というアプリが使いやすいみたいなので、これをインストールします。

AppStoreから”realvnc”と検索して、以下のアプリをインストールしてください。

インストールが完了したら、アプリを開いてユーザーアカウントにサインインする必要があります。

realVNCのアカウントを持っていない場合は、以下のリンクからユーザーアカウントを作成してください(無料)。

https://manage.realvnc.com/en/

realVNCのSignUp画面

アカウントにサインインできたら、

アプリのナビゲーションメニューの中の「Address Book」を開きます。

つづいて、右上の「+」をクリック。

Address Book

すると詳細の入力画面が出てくるので、ここにJetson Nanoの情報を入力します。

Address:
JetsonNanoのアドレスとVNC用のポート番号を入力します。

アドレスはJetson Nanoからターミナルを開いて「ifconfig」で確認できます。

ポート番号は前述した手順に従った場合、5900です。

これを続けて下のように入力します。


172.20.10.3:5900


Name:

ここはiPhone側で管理する接続先の名前なのでなんでも構いません。

「Jetson Nano」とでも入力しておけばOKです。

③VNC接続する

最後に真ん中のConnectボタンを押してパスワードを入力したら

VNC接続完了です。

Jetson NanoとVNC接続した状態のiPhoneがこちら。

これでJetson Nanoを外に持ち出しても作業ができますね。

VNCでiPhoneディスプレイに接続したJetson Nano
VNCでiPhoneディスプレイに接続したJetson Nano (screen shot)

まとめ

今回は、iPhoneからJetson NanoをVNCで接続して屋外で操作する方法について説明しました。

VNCを使えば割と簡単にディスプレイ共有ができて便利ですね。

ということで、屋外にJetson Nanoを持ち出してじゃんじゃん遊んでいきましょう!

参考URL

今回の作業で参考になった記事を挙げておきます。

【超入門】RealVNC(無償版)でリモートデスクトップ/@pochi4numberさん
realVNCサーバー同士での接続手順が解説されてます。

スマホから VNC で Raspberry Pi を操作/キルロボブログ

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